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No.1153-2021/12/20

「関西スーパー」H2Oと経営統合、最高裁が認める判断

北野祐次氏の胸像が物語る創業の精神

10月29日に開催された「関西スーパーマーケット」の臨時株主総会の会場入り口で=兵庫県伊丹市


No.1153号

  今年1年の世相を表す漢字は「金」に決まった。東京五輪・パラリンピックの金メダルラッシュ、大谷翔平選手のMVPや藤井聡太さんが将棋界で四冠を達成した「金字塔」に、多くの人が票を投じた。  この1年、スーパー業界はどうだったか。夏以降、大きな話題になったのは、「オーケーによる関西スーパー買収騒動」だった。これも、お金が絡む点では「金」だが、10月29日に開催された関西スーパーマーケットの臨時株主総会の会場入り口に置かれてあった創業者・北野祐次氏の胸像に心を揺さぶられた。「日本のスーパーマーケット業界の礎を築いた」金字塔を打ち立てた人の企業に降りかかった難題は、「経営統合」で一件落着した。


巣ごもり需要から値上げの嵐に


◇…6時間に及ぶ総会を経て、僅差で関西スーパーとH2Oリテイリングの経営統合案が可決されたが、白票を投じた株主の取り扱いを巡って舞台は急転、判断を仰いだ神戸地裁は、オーケー側の言い分を認めたが、大阪高裁は関西スーパーの異議に理解を示した。最後は最高裁が統合を認める判断をした。


◇…関西市場をうかがうオーケーはその昔、他のスーパーがそうであったように、関西スーパーに学んだことがあった。教えを乞う企業には、そのノウハウを分け隔てなく提供していた北野氏の度量の深さがあったからだ。


◇…もう2年にもなるコロナ禍では最初、スーパー業界には思わぬ神風が吹いた。巣ごもり需要という、盆と正月が一緒にやってきたような活況だったが、それも終焉。この先は、何もかもが、値上げの嵐に見舞われる。流通暗黒の時代に果敢に道を切り開き、食品スーパーの礎を築いた人に「創業時の思い」と、これからの指針を今一度、聞いてみたい気がする。


今週の目次




SJW新店レポート

1年9か月ぶりにS&Bでオープン。単身世帯をターゲットに個食・簡便を充実
 マルエツ 武蔵新城店


ニューストア |ビオラル エキマルシェ大阪店

「BIO‐RAL」商品を知る、使うきっかけの場所に「ちょっと よりみち」


SJ決算レポート SM篇 2022年3月期第2四半期決算

コロナ禍の巣ごもり需要続き、既存店売上99.5%と健闘
営業収益経常利益率は3.3%


今週の業界トピックス

ファミリーマート
 サステナブル経営を推進、環境負荷軽減のための取組みを深化
ローソン
 需要の変化に対応 新冷凍食品のメニュー拡大
サミット
 生鮮素材を使用した「一人用鍋セット」を発売


メーカー トピックス

フクシマガリレイ
 単相100V 急速凍結ブラストチラー/ショックフリーザー発売
ニップン
 「ダンテ“ノヴェッロ 2021”」を通販限定で発売


今週の開店情報


食品マーケティング

東洋水産、即席麺売り場を刺激
*袋入り正麺 発売10周年キャンぺ~クッタ~和風どんぶり


マンパワーの育成戦力化とマンアワー確保の処方箋・101

― 生産年齢人口(働く人)激減の諸施策 ― 小澤 信夫


今週の大店立地法公示速報


交差点

食品ロスと恵方巻



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