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No.977-2018/04/16

食品スーパーでも“二刀流”「盒馬鮮生(ホーマーシェンション)」で受けた衝撃(中国・上海)

No.977号

「ハンガーシステム」が天井で稼働


  大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手。野手と投手の「二刀流」での活躍が全米の注目を集めている。食品スーパーの世界でも、店舗売りと宅配のどちらもこなす新型店舗がお目見えし、話題になっている。中国のネット販売最大手のアリババグループが2016年1月から始めた「電子決済店舗」だ。上海でウォッチし、衝撃を受けた。


  中国・上海の浦東地区の住宅地。地下鉄駅近くにあるショッピングセンターの地下1階に「盒馬(ホーマー)鮮生」の金橋店があった。一見、普通のスーパーと変わりはない。違うのは「会員」になることだ。申し込み用紙に記入するのではなく、スマホをかざして、店舗のあちこちに掲示してあるアプリをダウンロードすることで完了する。買った商品はすべてアリババの電子決済システム「支付宝(アリペイ)」で行い、チェッカーは一人もいない。


  4月5日の清明節の連休でごった返す店内。驚いたのは、ブルーのジャンパーを着た従業員がお客の数の1/5ぐらいいて、布製の袋を持って店内を走り回っていることだった。何をしているのかと後を追うと、スマホ画面に表示されたECでの注文商品を袋の中に入れている。ピッキングを行う売場が倉庫でもあるわけだ。


  商品を入れ終わると店内に何カ所かあるハンガーステーションにその袋を吊るす。すると袋は天井をグルグル回って、バックヤードへ。チェックされた商品はトートボックスに移し替えられ、1階にある配送窓口まで、コンベアで運ばれる。


  そこには、20台ぐらいのバイクの列。配送は無料で「3km以内であれば、最短30分以内に配達します」がウリになっている。店売りと宅配を同時に行う「二刀流」の店舗。蘇州、深圳など7都市に30店舗近く出店しており、現金主義の日本上陸もありそうだ。


今週の目次




流通羅針盤

グローサラントはSM成長の一旦を担えるか


今週の業界トピックス

セブン&アイHD&イズミ 業務提携し、双方の弱点補完を狙う
サンエー 独自の複合型小売業態を作り上げ、シェアを拡大する
エムアイフードスタイル マクドナルド出身の遠藤久氏が社長就任、大久保恒夫氏が会長に


メーカー トピックス

雪印メグミルク 家庭用チーズ価格を5月に改定
マルハニチロ 直営4工場がFSSC22000認証取得


今週の開店情報


マンパワーの育成戦力化とマンアワー確保の処方箋・13

― 生産年齢人口(働く人)激減の諸施策 ― 小澤 信夫


SJW トップインタビュー

徹底してベストローカルに特化
 カスミ 代表取締役社長 石井 俊樹 氏


SJW新店レポート

地元商品を積極的に扱い、いちごヨーグルト酒も先行販売
 ヨークベニマル 鹿沼上殿町店
競合ひしめく激戦地へ出店。魚と肉惣菜を豊富に展開
 マルエツ アクロスプラザ坂戸店
惣菜や飲料、酒、銘菓販売する、駅改札内グロサリーショップ
 紀ノ国屋アントレ グランスタ店


食品マーケティング

東洋水産、小樽市とパートナーシップ協定
 *北海道事業部が地域で幅広い強力と提携目標
東洋水産からトリュフ香る即席カップ麺3品登場
 *鯛だしうどん~ラーメン~塩焼そば


今週の大店立地法公示速報


交差点

先行き不安なパチンコ業界



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