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No.813-2014/11/17

いちやまマート、独自化商品で差別化を図り、地域一番店を目指す

No.813号

  11月7日(金)、長野県岡谷市と新潟県村上市にSMの新店が同時オープンした。一つは、いちやまマートの長野県内2店目となる岡谷店。もう一つは原信の新潟県内53店目の荒川店。どちらも地域一番店を目指し、オリジナル性を追及した展開を進める。


広域の集客がローカルSMの鍵


  いちやまマートが11月7日にオープンした岡谷店が予想を大幅に上回る客数と客単価を上げ好調なスタートを切った。オープン直後の週末は客単価3,000円超、1日の客数で3,000人近くとなり、「北海道噴火湾産ホタテフライ」や「若鶏ジャンボ山賊焼き」など一部のデリカでは50%引きとしたこともあって製造が間に合わないほど勢いよく売れ、店側からはうれしい悲鳴が上がった。


  いちやまマートは「美味しさ・健康・安心」をテーマに追求し、独自化商品として「美味安心」や「いちやまクオリティ」のブランドを開発して他社との差別化を図っている。昨年から、さらに価格も考慮したブランドとして「ビミ・ドゥーエ」を加工肉やチョコ、フルーツチップス菓子で発売している。今回の新店オープンに際して、数週間はNB商品や生鮮3品・惣菜で目玉商品をチラシで打ち出し、地域で店を認知してもらう政策を徹底している。


  同じ日に原信が出店した荒川店は2011年8月に倒産した「スーパーエノモト」パルティ店の建物を壊して建て直した店。500m以内にマックスバリュ荒川アコス店が営業しているが、同店も2013年5月に倒産したパワーズフジミからマックスバリュ東北が譲り受けた建物。同地では現在、原信とマックスバリュの2店が競合しているが、開店当日は原信の新店に多くの客が集った。


  岡谷店と荒川店には各地域で支持されている商品が陳列されている。岡谷店では信州ワインや長野県産リンゴを意識的に販売し、地域で食されている「若鶏山賊焼き」も提供。一方、荒川店では村上牛、地元の麩や豆腐をコーナー化。水産売場ではギフト需要に合わせて新巻鮭を吊るし販売している。地域性に合わせて、両店で品揃えは全く異なるが、共通していることがある。どちらの店も週末は広域からの集客を見込んでいる点だ。岡谷店は諏訪湖の近くにあり、湖岸の西側にSMの少ない買物不便地帯が存在し、そこからの集客を図る。荒川店も新潟県境にある山形県小国町からの来店客を取り込むため、週末は大容量品を品揃えする。ローカルSMにとっては、広域からの集客がキーポイントとなる。


今週の目次




今週の業界トピックス

ヤオコー 上期決算 既存店5.1%増で2ケタの増収増益に
ローソン アマゾンと協業型オムニチャネルに向けて始動
イトーヨーカ堂 11月、12月 大型イベント実施で下期を乗り切る
サンエー 増税前に無理なセール実施せず荒利改善


今週の開店情報


企業動向

乳業大手3社の2015年3月期上期は明治が圧倒


SJ新店・改装店レポート

生鮮4品を一体でゾーニング、駅近立地で短時間ショッピング訴求する300坪型
 マスダTAIRAYA馬橋店
生鮮・惣菜売場で即食を充実し、こだわりと簡便商品の販売を強化
 コープ寺尾店
カスミのMDを注入した、SMとコンビニの一体型90坪実験店舗
 ファミリーマートプラス上青木店


調味料の変化と対策 サミット一般食品部 中里 雄 氏に聞く

多様化時代に対応できるMD力強化
上質志向意識の上手な品揃えが奏功


〈鍋つゆ・たれ〉の動向 モランボンに見る現状と戦略

消費動向を捕らえた的確な商品開発
生鮮との連動で商品と売場の強化へ


食品マーケティング

*三菱食品、第2四半期決算は減収減益
 デリカ惣菜、チルド強化や低温物流ネットの業容拡大推進中
*マルハニチロ、第2四半期決算は増益へ


今週の大店立地法公示速報


交差点

食の未来図



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