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No.788-2014/05/19

人口密度の高い隣接県へと進出したオータニ

No.788号

  栃木県宇都宮市に本部があり、これまでに栃木県内で30店のSMを展開してきたオータニ。創業68年目にして今回初めて県外への出店を果たした。価値訴求型のSMとして同社が2003年に開発し、現在は力を入れているフードオアシス業態で、4月23日に埼玉県内1号店をオープンした。新店の幸手店の周辺には埼玉の優良なSMチェーンであるヤオコーとベルクが営業。強力な競合相手となる。「栃木県内はオーバーストア状態にあり競合は多いものの人口密度が高い埼玉県への出店を増やし、10年間で同県に10店の展開を目指す」とオータニ。地方のSMが続々と人口の多い首都圏へと進出する動きが活発化している。


栃木県のオータニが埼玉県初出店


  フードオアシス業態はオータニが2003年に平松店を1号店としてオープンした時からスタートし、その後の新店6店では全てフードオアシスを出店。既存店の改装ではスーパーオータニからの業態転換を進めている。現在、売場300坪以下のスーパーオータニ宝積寺店は移転スクラップ&ビルドする計画で動いており、来年以降、フードオアシス新・宝積寺店が誕生する予定だ。


  フードオアシスは従来のスーパーオータニの価格志向ではなく、価値訴求型の店舗として展開。売場内はビジュアルを駆使して、買物にほぼ毎日来られている主婦が楽しんでもらえるような店づくりを追求する。今回オープンした幸手店では、同社初挑戦の試みを実施している。まずはオープンキッチンのカットフルーツコーナーを青果売場奥の和日配売場の壁面に常設。彩鮮やかなカットフルーツをセットにした様々な商品を販売する。また、青果売場の壁面には小分け商品をコーナー化した専用什器を設置。店内中央部の冷凍食品とアイスクリームの平台は同社初導入のリーチインケースとした。


  各売場のサインには電飾を使うと同時に、各陳列棚の上部にはオーバーキャノピー照明を使用して、青果売場には葡萄をモチーフにした飾りを吊り下げている。天井や壁面上部にはヨーロッパの街並みを模した絵や青果物や水産物、畜産物などを描いている。高さが3~4mもある天井からはシャンデリア風の間接照明を当てている。


  オープン後の幸手店の動きは好調で、予算比の25%増で推移。市内には大型ホームセンターのジョイフル本田幸手店があるためか、当初想定していたよりも広域からの来店客があり、幸手市の隣の久喜市や杉戸町からの集客もある。毎週水曜と土曜の週2回、販促チラシを配布しているが、特売情報に関しては思っていた以上の反響があるそうだ。幸手市は埼玉県の最東部にあり、茨城県や千葉県とも接している。今後、オータニは埼玉だけでなく千葉や茨城へも出店していく可能性も高い。


今週の目次




SJ決算レポート(SM篇)

半数強が増収増益、年商1,000億円以上企業が好調
 経常利益率は平均2.2%で横ばい、販管費率は24.6%で微減


イートインコーナーの可能性〈下〉

時代背景としてイートインスペースのあるSM急増
 ヤオコーのイートインの状況
 クイーンズ伊勢丹のイートインの状況
都内・錦糸町にある大人気のフードコート
 4月の改装後は地下、3階とも客数、売上とも絶好調
ヤオコー東大和店
ヤオコー平塚宮松町店
クイーンズ伊勢丹武蔵境店


SJ新店レポート

栃木県外のオータニ1号店、今後は埼玉県で10店体制を目指す
 フードオアシスオータニ幸手店


SJ決算レポート

スリーエフ 個店の立地、客層に合わせたきめ細かいMD推進


ハマさんのコーヒーブレーク・115 コラムニスト 浜本經道

間の抜けたものが美しい


話題づくりと地道な展開 大塚食品の飲料&食品戦略

「レトルト」のオール電子レンジ対応
需要増大へ消費者の認識徹底を強化


企業動向

明治HD増収大幅増益、統合にメドつけ会長、社長が交代
平成26年3月期、雪印メグは増収も大幅減益と明暗分ける


食品マーケティング

マルハニチログループ、3月期決算・増収減益
アクリフーズ群馬工場の農薬散布テロで商品回収損50億円
 最優先の課題はアクリフーズの再生
三菱食品、各エリアの連結子会社取引口座、支社に集約
 (地域密着型営業の強化が目標)


今週の大店立地法公示速報


交差点

挑戦は続く



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