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No.783-2014/04/07

年ぶりの増税で混乱も。本体&総額の価格表示は好評価

No.783号

  1997年4月に3%から5%に引き上げられて以来となる、17年ぶりの消費税5%から8%への増税が4月1日実施された。4月1日0時には大手コンビニエンスストアでは全店舗で一斉に8%に切り替えられ、鉄道やバスなどのインフラ機関は始発からの引き上げとなった。小売企業各社が様々な対応に追われ、西友やいなげやの店舗では消費税変更対応のためのシステムにトラブルが起こり開店できない状態にもなるなど慌ただしい一日となった。


谷を埋めるための政策に注目


  消費増税を前に多くの小売業が追われたのが、値札切り替え作業だ。4月1日の開店を迎えたイオン幕張新都心店では3月31日の閉店後に約40人の従業員が残り、一斉に値札を切り替えた。イオンでは価格表示は本体価格と総額の併記で表示しており、見慣れない値札が並ぶ同店に来店した客からは「本体価格のみでは計算も大変だし、レジで精算をした時に『高いなあ』とガッカリしてしまう。絶対に総額表示があったほうが良い」との声が多く、本体と総額併記は強く支持されていた。また増税については「価格が上がっているという認識で店に来たが、食品は特に高いという気はしなかった。日用品は3月に買いだめしていたので買ってないが、チラっとみたら高くなっていたので、増税を実感するのはこれからだと思う」との声があった。


  イオンリテール南関東カンパニーベイエリア事業部事業部長・北田稔氏は増税について「懸念することとしては家電、宝飾などで、特に食品は心配していない。4月は去年より落ち込むのは間違いないが、3月の売上増もあるので、通期で見れば変わらないだろう。価格表示についてはやはりお客様にとっては総額が表示されているのが一番良い形だと思う」と語る。


  この増税のタイミングと同じくしてイオンは4月から『本体価格20,000品目実質値下げ』(トップバリュ5,000品目、その他15,000品目)を行っている。イトーヨーカ堂でも『価格据え置き宣言。』として2,572品目を増税前と同じかそれ以下の価格で販売する政策を打ち出しているが、イオンの同企画は据え置きという概念ではなく、あくまで株式上場40周年を記念する値下げ。今後もイオンでは消費者の声を取り入れ、ニーズに合ったセールやPB商品の比率を増やすなどしていく予定。駆け込み需要増後の谷を埋めるための政策やMDをどう進めていくのか、各社の動きに注目だ。


今週の目次




今週の業界トピックス

3月の駆け込み需要と4月の買い控え対策
 3月31日の際で跳ねる。SMの3月度は既存で10%前後
アークス・ベルプラス ベルプラスがアークスの傘下に
イオン 中期経営計画発表(2014‐2016)売上高8兆円以上
業界団体 新日本SM協とSM協、統合の延期を発表


今週の開店情報


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

消費増税後の反動は6月まで続く。これを機に社員の有り方を見直そう


ニューストア [三井不動産]

「コレド室町2・3」が3月20日、東京・日本橋に開業


SJ新店・改装店レポート

街全体を舞台にするアンビエント広告で地域デビュー、内外装も一新したEDLP・SM
 西友蓮根坂下店
人口減に歯止めかけたい町の要請を受け、HC隣接したSM
 小田原百貨店パントリー山北店
自家製サンドイッチとサラダ新設、1階が食品の2フロアの売場
 ライフ西大泉店


明治 多彩な新商品 果汁飲料・ゼリー・栄養スムース

「アサイー・ザクロ」使用の果汁飲料


注目のメーカー新商品

大塚製薬 女性の更年期症状などに効果
森永乳業 拡大する緑茶市場にリプトンから新商品


企業動向

横山AGF社長、味の素の経験活かし自らトップセールスに動く


食品マーケティング

*伸びるアイスクリーム類4,300億円市場へ成長
 ロッテアイス有力商品のバリエーション広げる
*国分フードクリエイト東京に「関東国分」の低温事業を統合(5月1日)


激動の流通革命変遷史・12 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


今週の大店立地法公示速報


交差点

どうなる西友の生鮮食品返金保証



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