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No.747-2013/07/01

大阪の3本目の矢「阿倍野ミックス」で、早くもエキサイト

No.747号

  大阪の南の玄関口、天王寺・阿倍野地区にそびえる高さ300mの日本一の高層ビルに入る百貨店「あべのハルカス近鉄本店」のうち、タワー館が6月13日に部分開業した。2014年春の全面オープン時には、既存の近鉄百貨店だったウィング館と合わせると、売場面積は10万㎡となり、日本一の規模となる。 食い倒れの街にふさわしく、飲食ゾーンが3フロアあり、老若男女いずれにも楽しんでもらえるよう、くつろぎのスペースをたっぷり取った「滞在型百貨店」。梅田、難波に続いて阿倍野から放たれた3本目の矢。あべのキューズモールや動物園、通天閣などをミックスした連合体の実力や如何に。


3地域、どこが抜け出る?


  4月にJR大阪駅北側にオープンした「グランフロント大阪」の熱気がまだ冷めない梅田から地下鉄御堂筋線に乗ると7.5㎞、約14分で天王寺駅に着く。これまで通称・阿倍野地区は、キタ・ミナミに隠れた存在だったが、あべのハルカスのオープンで、情勢が変わってきた。


  ビルの前の交差点は四方から上り下りできるデッキになっており、天を突く「あべのハルカス」を前に、スマホを取り出して、記念撮影する人が多い。見上げるとみんな「ポカンと口が開き」、予想外の高さに驚く。満点の舞台装置だ。


  「ハルカス」という名称は、一般から公募されて決定された。「晴れ晴れとさせる」という意味を持つ古語「晴るかす」から取ったという。なかなかのアイデアだ。2011年に若者ファッション専門店やイトーヨーカドーが入るショッピングゾーン「あべのキューズモール」が道路西側にオープン、今回デッキでつながったこともあり、回遊性は申し分ない。


  「ハルカス」の中に足を踏み入れてみると、地下1階と2階は菓子や生鮮食品のフロアの、いわゆるデパ地下だ。これだと、他店ともあまり大差はないように思ったが、何となくゆったりしたようなレイアウトだ。全館オープンすれば、食品フロアだけで、9,000㎡にもなる。これだけのスペースを「どうやって埋める?」。


  相次ぐ大型商業施設のオープン。詰るところ、競合激化でしかない。梅田と阿倍野に挟まれた形の難波地区は危機感を募らせている。1ヵ所に立ち寄れば、他の地域に買い回りすることはほとんど不可能。だったら、どうやって魅力を出していくか、その地域ごとに矢の中身を替えなければ、やって行けない。


今週の目次




新 激戦地 ストアシーイングMAP 1

浜松市北部 静岡県|浜松市中区・北区・東区


今週の業界トピックス

東急ストア 昨年11月以降回復傾向続き、5月の既存店売上103.1%


今週の開店情報


SJ新店レポート

京急ストアとの統合後1号店は、東急沿線への初出店に
 もとまちユニオン日吉店
既存の業態変更ではない初の新店、良質商品を揃え見やすいPOP掲げる
 フエンテ下丸子店
デリカ部門の中にベーカリーを含める形で“再挑戦”。学生客に期待
 平和堂 フレンドマート葛野山ノ内店


チェーンストア・コンビニの5月度販売概況

低気温もGWや母の日が好調に推移
 東急ストア、ヤオコー、セブン、ファミマが既存店プラス


こだわり商品展示会 7月25日丸ビルホールで開催

機は熟した!今こそ消費者と対話を
楽観は許されない SMとの連携必要


食品マーケティング

三菱食品「ダイヤモンドフェア2013」7月2日~4日開催
テーマは「起動力」でマーケットの深耕を追求


非縁社会のぬくもり・45 小澤信夫

旅館とホテルを折衷した安らぎのアメニティ


今週の大店立地法公示速報


交差点

増える旅費・交際費支出



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