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No.713-10/22

優先レジを新設した京王ストア桜ヶ丘店

No.713号

   京王ストアの旗艦店である桜ヶ丘店が8月25日の全面リニューアルオープンを機に、部門の垣根を越えた、買い易さと出来立てのおいしさを追求した売場へと変身した。特にデリカや簡便商品を強化し、惣菜売場では酒や加工食品とのクロスマーチャンダイジングを実施。惣菜とデザートの売場を一体化すると同時に生鮮食品売場には各種調味料を揃え、味付けの魚や肉をコーナー化した。今回の改装にあたり計13台ある食品レジのうち1台を「おもいやりサービス優先レジ」として新導入し、シニア向けの取り組みも開始した。


優先レジ常設の店が出現


  多摩市は東京のベッドタウンとして日本の高度経済成長期を支えてきた街だが、現在は高齢の単身世帯が多く住み、今後も増えていく可能性の高い地域といえる。多摩市北部にある京王線・聖蹟桜ヶ丘駅は多摩ニュータウンへのアクセス駅であり、駅南部の丘陵地帯は1960年代から1970年代にかけて京王電鉄が大規模な宅地開発を行ったところ。


  聖蹟桜ヶ丘駅周辺は商業化が進み、その中核となっているのが京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター。1986年に開業し、現在は駅を囲むように3棟で構成され、B館は京王百貨店、C館には飲食店やクリニックなどが営業し、A館の1階と2階に京王ストア、3〜5階にはバラエティ雑貨などを販売する京王アートマンなどが営業。


  1970年から営業している京王ストア桜ヶ丘店は8月25日に1億2,000万円投資し1階の食品売場を改装オープンした。同店のピークは5年前で年商は63億円ほどだったが、その後売上は減少傾向で、昨年は59億円。今回の改装を機に年商63億円の復活を目指す。


  桜ヶ丘店の改装では、客ターゲットを明確化。@シニア層A子育て世代B勤め帰りのサラリーマン・OLの3つに客層を対象とした品揃えに。デリカやハーフデリカといった即食性の強い商品を強化すると同時に少人数世帯に合わせて少量で上質な商品を拡大し、個食の和・洋菓子やデリカを充実させた。新たな試みとして、集中レジのうちの1台を「おもいやりサービス優先レジ」として、開店の10時〜16時まで、袋詰めサービスなどを実施する。電車やバスの優先席のように、高齢者や体の不自由な人に対応したサービスを行う優先レジは、欧米のスーパーでは数年前に登場しているが、まだ日本では馴染みがない。時代のニーズとして優先レジが今後増えてくる可能性も高い。


今週の目次




流通羅針盤

中国進出の大手小売全社が中国事業の積極的継続を表明、成熟化を期待


今週の業界トピックス

オークワ 神吉康成社長、「前社長路線を継承し、下期に挽回する」
ベイシア 千葉県東金市に新設のドライセンターを10月18日稼動
ハローズ 来年度は徳島県に進出し、四国の出店も加速
日本生活協同組合連合会 移動販売車は17生協で計77台稼動
イズミ 来期以降、毎年10店ペースで出店


SJ新店・改装店レポート

メイン入口側に惣菜、ベーカリー、日配、冷食を配し、夜の売上が大幅増
 リブレ京成幕張本郷店
駅ビルから高架下へ移転新築し、都市型ミニSMとして朝7時から営業
 京急ストア川崎店
既存店を業態変更して全面改装、上質化商品を強化し品数を広げる
 フエンテ下高井戸店


今週の開店情報


非縁社会のぬくもり・28 小澤信夫

明治維新150年祭を探るため、
山口県光市束荷にある伊藤博文(伊藤公)資料館を訪ねて


ブランドの価値向上 大塚食品のイメージアップ戦略

水の需要広がる中で小容量再構築へ
「マッチ」は効果的販促で好調に推移
マンナンヒカリは「健膳Car」縦断で積極的PR


コンテストとキャンペーン モランボンが実施

小学生手作り餃子コンテスト/鍋用スープ40品対象にキャンペーン


伝承と新しさを提案 国分「地酒蔵元会 展示きき酒会」

「復権『国酒』日本酒の底力」テーマに女性対策強化


チェーンストア進化のベクトル4 浜本MD研究室 浜本 經道

「利は分類にあり」  複数のバイヤーによる分類開発


企業動向

サークルKサンクス、秋の商品戦略で重点施策に着手


今週の大店立地法公示速報


交差点

一包丁の半素材化で魚離れ防止



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