≫ウィンドウを閉じる


No.682-2/27

連日の“雪との戦い”、低温で野菜高騰が続く

No.682号

  早いもので、あっという間に2月も終わる。肌に感じる風には「春の息吹さえ感じるきょうこの頃」だが、それは積雪がない都会地での話だ。6年ぶりの豪雪に見舞われた日本海側の各府県では、今なお“雪との戦い”が連日繰り広げられている。郊外のショッピングセンターがオープンするのはだいたい朝の9時以降だが、早朝から除雪ブルドーザーが轟音を上げ、駐車場の除雪に追われている。取り除かれた雪は四隅に3mぐらい盛り上げられ、店舗は文字通り「白い壁」で囲まれることになる。「お客様通路」などは、朝7時半から作業員がスコップで除雪している。晴天続きの太平洋側の都市部では思い至らない光景だが、積雪と低温の影響で青果物の相場高騰が全国的に続いており、都市部の店にも大きな打撃を与えている。


豪雪の影響、こんなところに


  「この時期はいやですね。早朝からの雪かきがあるから。運動になるとは言え、もううんざりですよ」−以前、HCを取材した時の従業員の話だ。駐車場が何千台も置けるSCでは、写真のようにブルドーザーが大半はこなしてくれるが、規模によっては人力に頼らざるを得ない。小さな噴水のような「融雪装置」を付けているところも多くなったので、以前より雪かき作業は少なくなったが、今年のような豪雪になれば、思わぬところでお客さんを巻き込んだ事故が起こらないとも限らない。屋根から落ちて来る雪にも注意が必要だ。


  雪に見舞われることが多くて、日常生活は大変な福井、石川、富山の北陸三県だが、厳しい冬場には「寒ブリ、ズワイガニ、タラにアンコウ」と旬の味覚も多い。厳冬期さえしのげば、「家賃も安く、子育てもしやすい」という。ともに「暮らしやすい都市」ベスト3入りを果たしているのが救いだ。


  3月の声を聞くと、降雪のピークは過ぎるが、時ならぬ“どか雪”に見舞われることも多いから、まだまだ気が抜けない。豪雪の影響で青果物が軒並み高騰し、あおりを受けて小規模のチェーン店では閉店に追い込まれるところも。


  埼玉県熊谷市内で長年に渡って営業を続けてきた、まつしまストアーが今年1月20日に閉鎖した。100坪ちょっとの売場の半分以上は青果物を陳列販売し、低価格で青果物を提供して地元では馴染みの深い店だったが、経営不振で営業継続が困難になって事業を廃止した。現在は弁護士が債権債務の任意整理などを委任されている。青果物相場の高騰が小さな地元のスーパーにとっては大きな打撃を与えているようだ。熊谷市の隣、深谷市の青果物店も同じ時期に突然閉鎖している。寒風の中、八百屋受難の日々がしばらく続く。


今週の目次




流通羅針盤

流通BMS導入のメリットと将来の活用戦略


今週の業界トピックス

ユニー サークルKサンクスを完全子会社化
まいばすけっと 2月第1週と第2週の金曜に連続3店同時出店
バロー 韓国・釜山市にSM2店を5月に出店
神戸物産 沼田博和取締役が急遽、社長に昇格
サミット ニチレイのプレーンベーグルがデイリーの1位に
日本製粉家庭用新冷食


SJ新店レポート

直営ベーカリー常設の200坪店を居抜き出店
 マルエツ富岡東店
東京・下町にピロティ形式430坪の売場
 ライフ菊川店
明るく、広くして、回遊性高めた超高齢・大型旧公団住宅立地の改装SM
 リブレ京成高根台店


ニューストア [エイビイ南町田店]

野菜や豚肉を激安販売する、EDLP型SSMを都内初出店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

ぽっかり空いた都心・小型SMを制するのは商品回転率


〈こだわり〉の売れ筋を見る 五味商店2011年実績

生活必需品から菓子・デザートまで上位30アイテムを17社で占める


森永乳業春の新商品発表 〈ドリンク〉部門の紹介

新たな栄養機能付加のミルク発売、カップ飲料の既存ブランド向上へ


新ブランド「KONISHI」 小西酒造が「白雪」と両輪展開へ

新しい切り口にこだわる「清酒」とジュース感覚で飲めるリキュール


食品マーケティング

三菱食品のソリューションフェア東京
 *様々な食事提案&時流を売場直結の「いいね!」で表現
  大手小売業のサバイバル戦、火中に勝負を挑む
  新たな単独出店の小型SM(170坪前後)の勝算は何か
  業務用(デリカ・惣菜)冷食
  日東ベスト‘とんかつ’のバリエーション強化へ


今週の大店立地法公示速報


交差点

サラダバー付きステーキ店



≫ウィンドウを閉じる