≫ウィンドウを閉じる


No.670-11/28

ユアーズが仕掛けた「B−1グランプリ」新しい販促展開に

No.670号

  B級ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」が11月12、13日の2日間、兵庫県姫路市で開催され、51万人の人出があった。1位のゴールドグランプリには岡山県真庭市の「ひるぜん焼きそば」が輝いた。「年々盛んになるこの催しを何とかスーパーの販促に使えないか」――食品卸最大手の三菱食品や日清食品グループ、東洋水産、アサヒビールといったメーカー、広島と北九州でチェーン展開する「ユアーズ」の小売りがタッグを組み、店内で売り込んだ。13日の関連売上だけで2億円を突破するなど、こちらも盛況だった。


「売れ残る心配はなかった」


  ユアーズでは13日の日曜日を中心に59店舗でセールを開催した。そのうち15店舗では11月初めから2週間にわたって専用コーナーを設け、主に冷蔵ケースに集合陳列する形で販売した。全国の駅弁を集めた「うまいもの大会」とかぶせたのも良かったようだ。


  扱ったのは「ひるぜん焼きそば」「津山ホルモンうどん」「八戸せんべい汁」「四日市トンテキ」「静岡おでん」など10数アイテム。チルド商品が多い中で唯一の調味料「十和田バラ焼きのタレ」(¥498)などは試食付きで牛バラ肉を販売。商品部を巻き込んだ社内コラボも成功した。


  「2年前からイベントの変わり種を探していた」(ユアーズ 販売促進部・内田俊之氏)というのが、ズバリ当たった格好だ。対象商品が揃ってきたのも追い風になった。三菱食品が間に入ることで商品や「B-1グランプリ」の販促物の調達がたやすくなった。イベントがテレビなどで報道されることで認知度が上がり、お客の反応も良かった。


  リピートが入った「せんべい汁」は追加発注を掛けたが、製造が追いつかないとかで、入荷の見通しが立たないという。この種のイベントにありがちな「売れ残ったら、どうしょう?」という心配がなく、ほぼ売り切った。


  ミシュランの三ツ星店が話題になる一方で、根強い人気がある数百円で楽しめる地元の味「B級グルメ」。地域の活性化につながる「まちおこし」イベントとして定着したようだ。大手チェーンではなく、地元に密着したスーパーからこの種のセールスプロモーションが始まったのは、うれしい話だ。来年の「B-1グランプリ」は10月に北九州で開催される。


今週の目次




流通羅針盤

食品市場規模縮小は不可避、小売業はどう対応するか


SJトップインタビュー

「国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)」いよいよ設立へ
 衣食住の大手、続々参加
 国民生活産業・消費者団体連合会 世話人代表 清水 信次 氏 に聞く(上)


今週の業界トピックス

平和堂 滋賀県でSM8店展開する丸善を買収
ダイイチ 新社長に鈴木副社長が昇格
京女、Fマート、大塚食品 カロリー控えめ「腹持ちいい弁当」


2011年下期開店予定店舗 A


SJレポート

スーパーマーケット2011年 冬ギフト商戦開始


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

高架下の駅改札前に、惣菜中心に生鮮3品揃えた小型店
 マルエツ プチ千葉みなと駅店
地域商品をメインに打ち出すTX沿線をドミナント化
 フードマーケットカスミ万博記念公園駅前店
人口急増地にNSC出店。競合激しいが、今後の出店占う戦略店に  平和堂長久手店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

創業者の志、商売のコツをいかに継げるかが大きな課題に


MDフラッシュ


日本酒の現状と課題

スーパーマーケット上期の推移
 SMの清酒堅調も決め手に欠け位置づけ後退気味
オエノングループ 2011年の動向
 味わいと値頃感訴求で1〜9月95%
小西酒造の清酒戦略
 価格競争から脱却し「生・販・消」の正常化見直しへ


企業動向

AGF、環境配慮型リサイクルペットボトルへ転換


今週の大店立地法公示速報


交差点

スティーブ・ジョブズ



≫ウィンドウを閉じる