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No.650-6/27

消費者の“生の声”を収集
(卸がこだわり食品のアンテナショップを開設)

No.650号

  大阪・ミナミの心斎橋、御堂筋の西側のオフィスビルの一角にミニ店舗「こだわり食品館」が5月28日オープンした。このショップを運営するのは全国の珍しい商品を百貨店やスーパーに卸している卸会社で、実店舗を構えることによって、消費者の“生の声”をキャッチ。メーカーに売れ筋情報を提供しようというもの。JR大阪駅の大改装で梅田地区のデパート戦争が本格化し、天王寺駅周辺にも大規模な商業施設がオープンした中での卸の「情報発信基地」のオープン。流通に新しい西風が吹き始めたようだ。


意外!男性客に人気のスポットに


  この店舗は業務スーパーなどのFC展開を手掛けるG−7ホールディングスの子会社で、シーアンドシー(大阪府茨木市)が運営する初の直営店だ。同社は全国3,000のメーカーから、6万点に及ぶ食品を百貨店やスーパーなどに卸しているが、「美味しい、うれしい、発見できる」をコンセプトに、1,500点を厳選して、アンテナショップを開設した。


  店内は約35坪で、コンビニをひと回り小さくしたような感じ。今村健吾店長が発掘した京都・宇治の人気マフィンをはじめ、バタークリームを使った懐かしい「まわたロールケーキ」(広島)など、お取り寄せグッズの人気品が揃っている。チーズやハムも神戸の専門店「アレクリア」発だ。


  化粧品など、オーガニック商品も扱っているが、90%以上が「こだわり食品」だ。おいしくて、ごまかしのない本物、しかも安全な商品に関心が高い20〜40歳代の働く女性とその友人、家族をメインターゲットにしている。開店後、意外だったのは男性客が多かったことだ。「ネットでお取り寄せ」の時代ならではの現象といえそうだ。


  また、この店舗は「吸収して発信する」という店舗コンセプトの下、これまで消費者の声を直接聞けなかった卸から、生の声をメーカーへフィードバックすることで、より付加価値の高い商品の開発やトレンドを生み出す役割も担っている。既存の卸売事業の売上拡大にもつなげたいと期待する。


  梅田地区では東京センスの高質スーパー・成城石井アルビ大阪店がオープンしたばかり。若い男女の独り暮らしが増え、価格は少し高くても自分自身へのご褒美として「プチ贅沢」にお金を落とす「新消費者層」が着実に増える背景が見えてきた。


今週の目次




流通羅針盤

適正規模で成長模索するSC、消費行動の変化に対応する


本誌創刊650号記念企画

東日本大震災で変わるスーパーマーケットの商品政策
 スーパーマーケットの原点を思い起させてくれた
 マルエツ 池野賢司執行役員営業統括生鮮商品統括部長兼日配食品部長
 こだわりの商品開発が一時中断、5月から再スタート
 いなげや 八丸良久執行役員商品本部長
製配販15社トップによる誌上パネルディスカッション
 三層が連携して流通の合理化に取り組み、グローバル化に備える


SJレポート 節電対策

冷ケースの停止、設定温度変更に対応分かれる


今週の業界トピックス

CGCグループ 第30回全国児童画コンクールで復興応援
日本生活協同組合連合会 新会長にコープこうべ出身の浅田氏が就任


大塚食品、微炭酸飲料「MATCH(マッチ)」新CM発表会


今週の開店情報一覧


SJ新店レポート

平台で提案コーナーを初導入、2日に1回新メニューを発信
 ヤオコー大宮盆栽町店
“奈良の七不思議”。食品スーパー不毛の地に、最新店がお目見え
 関西スーパー奈良三条店


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

店長の仕事はお客を知り、汗を出し、智恵を出し、売上を上げて利益を出すこと


SJ食品衛生レポートTC

食中毒シーズン本番 もう一度「食品衛生」の基本を学びたい


「薬効」で元気を訴求 日本緑茶センターのハーブ戦略

体力と活力増進「ハーブの効果」再認識への提案強化


食品マーケティング

伊藤忠食品、香港のSM「パークンショップ」と取引再開
 ※当初は放射性物質案じるも5県除き店舗配送へ
 ※日本国産品は即席麺・菓子〜日本酒など
 チルド・フルーツゼリー分野に凌ぎ削る


今週の大店立地法公示速報


交差点

SMは雑貨を見直そう



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