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No.628-1/17

体感型の酒専門店が登場(1号店のイオンリカー行徳店)

No.628号

  「まずはワインの消費拡大を目指す。食感の主導権を握る女性をターゲットとし、楽しい食生活を提案していきたい」とイオンリテール岡内祐一郎取締役兼執行役員副社長・事業創造担当。2010年12月18日(土)、同社は「イオンリカー行徳店」を千葉県市川市にオープン。GMS改革を推進するイオンは、GMS事業の専門店化を実施。昨年8月に自転車やペットの専門店を行徳周辺に出店したが、1号店目となるリカー専門店も同地にオープンさせた。五感を刺激するライフスタイル提案型の酒専門店と位置づけ、商品説明しながら購買を誘引する。今後は既存GMSの酒売場にも同様のコンセプトで展開していく方針だ。


  イオンリテール岡内祐一郎副社長・事業創造担当は「GMSを変える手段として専門店化を進めている。緊張感を持ち自分たちのMDを構築していく」と語る。ライフスタイル提案型リカー専門の1号店「イオンリカー行徳店」はワインや輸入食材を中心の洋酒ゾーンと、日本各地の本格焼酎や地酒、ビールから成る和酒・量販ゾーンの2つで構成したL字型の売場。


  洋酒ゾーンは、イオングループでワインを輸入するコルドンヴェールが世界のワイナリーから直接買い付けた輸入ワイン中心に1,000〜2,000円の旬のワインを常時約330品目揃え、ソムリエやワインアドバイザー資格を持つ従業員各1人を配置し季節や生活シーンに合ったワイン選びを提案する。同時にチーズやハムなどワインに合う輸入食材約1,800品目も提供する。和酒・量販ゾーンではイオンのGMSリカー売場でも人気の東北の日本酒や九州・沖縄の焼酎を中心に常時800品目以上の日本酒や本格焼酎を揃え、イオンの新ジャンルPBビール「トップバリュ バーリアル」などの量販商品も販売。オープン時には米やカップラーメン、調味料、ブーケ、雑貨も揃え(合計約3,000品目)、今後は輸入食材を増やす予定。


  行徳店は食品DS「つるかめランド」跡地を利用し、売場は100坪。10時〜21時の営業。従業員数は10人。隣で西友がGMSを営業する。今後1年間は5〜6店で実験し、今春開業のイオンモール昭和甲府内への出店も検討。ワインと食品で売上の半分を構成することで利益構造を追及し、既存のGMS内に年間50店ずつ出店する計画だ。店舗規模は100〜150坪。


  行徳店では五感を刺激する取り組みを行う。視覚は、フリーペーパー「AEONLIQUOR」を発行すると同時にメールマガジンも発信。嗅覚では、ぶどうの香りのサンプルコーナーを常設。味覚では毎月1回の頻度で店内セミナーやワイン会を実施。触覚としては、店頭に触ることもできる葡萄の鉢植えを置く。聴覚は、店内で毎月1回程度バイオリンなどの生演奏会を開催する。今後は客の立場から考え、客にとって便利な店作りを進める。日本の新たな食文化を担う役割を期待する。


今週の目次




SJ新年社長インタビュー

情緒的な価値の訴求を一番のポイントに据える
 サミット社長 田尻 一 氏


SJ新店レポート

東松山市内2店目、同社標準タイプを営業
 ベルク東松山新郷店
将来性が高く、潜在需要が見込める、エリアに先行出店で地盤固め
 マルエツ西大宮駅前店
SC港南台バーズの全館改装に合わせ、主力店を再スタート
 そうてつローゼン港南台店


チェーン・スーパーマーケット企業への提案

(株)島田研究室・代表 島田陽介
消費者は「節約疲れ」したという俗論を、ナゼ人々は安易に信じてしまうのか


今週の業界トピックス

イオン 来年度マイカル統合し新生イオンリテールで挑戦
セブン&アイHD 好調なCVSと苦戦続くGMS


2011豚肉の現状と展望 フリーデン 小俣勝彦流通本部長に聞く

生産者は「環境完備」、小売は「ブランド政策」再考を
 国産豚肉生産減少の中で生肉から加工肉まで安定供給のフリーデン


企業動向

AGF、積極展開する春のスティックとLC新商品戦略


食品マーケティング

不況下のサバイバル戦<事例>
 ※市場風「ABS卸売りセンター」(葛飾区)の初売り事情は?
 ※一極集中から分散時代に一切折込チラシなしのSM


今週の大店立地法公示速報


交差点

生かせ「提案・発掘」ショー



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