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No.614-9/27

高架下の最新型SC「アトレ吉祥寺」が9月21日開業

No.614号

  1969年12月からJR吉祥寺駅の高架下で営業してきた「吉祥寺ロンロン」を今回、全館リニューアルし「アトレ吉祥寺」と名称変更してグランドオープンした。工事は1期と2期に分け、1期工事は2009年10月〜2010年3月まで行い、2階の約2,600uの店舗面積に37店を4月1日に先行オープン。2期工事は今年4月〜8月まで実施し、1階と地下1階、東館の約9,800uに181店を9月21日に開業した。総事業費44億円のうち改装費に26億円、老朽化した設備を省エネタイプに切り換える費用に18億円をかけ、最新型のショッピングセンターへと生まれ変わった。

今年一押しのSCが誕生


  JR吉祥寺駅の1日の平均乗降客数は28万人。駅から南に200mほど下れば約38万uの敷地が広がる井の頭恩賜公園があり、駅の高架下にある吉祥寺ロンロンは「公園帰りのショッピング」をキャッチコピーに40年間営業。1日の来館者数は11万人、うちレジ通過客数は6万人。食品中心に人気の高い商業施設だった。


  その吉祥寺ロンロンを全面改装してアトレ吉祥寺が誕生した。延床面積は約3万2,200u。218店の総店舗数は吉祥寺ロンロンの238店より減り、店舗面積も以前の1万3,200uから約1万2,400uに縮小。その分、通路幅を広げて休憩スペースを増やした。年商目標は276億円。2008年度実績の274億円とほぼ同じだが、2005年度の334億円と比べると60億円近いダウンを想定する。


  高架下の施設のため横長で、端から端までは400mもあり、天井高も2m強と低い。これをカバーするため、館内は遊歩道を意識した、歩きやすい導線で街との一体感を演出した。ただモノを買う場所から、ふと立ち寄りたくなる場所へと、コトを重視したサービスを提供する。コンセプトは「私のいつもを満たす場所」。「a+プロジェクト」と名づけて、年間400回以上のイベントを館内の至る所で開催し、コンサートやアートイベント、各ショップによる料理教室やフラワーアレンジメントのワークショップなど体験型の催しを企画していく。


  売場は3フロアに分かれ、地下1階と2階は衣料や雑貨、飲食・サービスのショップ。1階は「きちきち」と命名した食品物販ゾーンで、以前から営業してきたザ・ガーデン自由が丘は内装を一新して新たに酒売場を導入。その近くには生ハム中心にイタリア食材を扱うイータリーや今回アイスコーナーを初導入したグロサリーのディーン&デルーカが営業する。生鮮3品を扱う各ショップはロンロン市場とネーミングして共通レジを配置し、昭和のレトロなイメージを演出。吉祥寺大通りを挟んだ東館には成城石井も出店。この他にも注目されるショップがずらりと並ぶ。ワクワクするような高架下の商業施設だ(3〜5頁に関連記事)。


今週の目次




流通羅針盤


今週の業界トピックス

イオン 総合スーパー改革の1号店、千葉幕張に9月18日(土)オープン
アトレ吉祥寺の食品フロアが9月21日からスタート
ファミリーマート おとなコンビニ研究所発足
エスフーズ 関東に牛肉加工販売の営業拠点を開設


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

今最大の課題は商品問題、独自のローカルブランドを育てよう


SJ新店レポート

既存店からのアリオ化は初、道の駅を意識し産直野菜コーナー導入
 新・イトーヨーカドー深谷店
埼玉北部のドミナント化を進める
 ベルク行田城西店
グループ最大級の食品売上を狙う「情熱食品」
 ドン・キホーテ二俣川店


「こだわり」に新しい動き ヤオコー・三越の教えるもの

思い切った同質からの脱皮と個性化にこそ生きる道


SMの売場を支えるこだわりメーカー

富山湾深層水を存分に使用したミネラルウォーター「五洲薬品」
京都流、珈琲づくり「小川珈琲」


今が旬!千葉の落花生 大自然がくれた贈りもの

スーパーへ拡販図りたい「欧都香」


企業動向

日粉、米粉生産強化で秋田県と全農の三者連携結ぶ


食品マーケティング

フジッコ、煮豆と周辺商品の強化
 ※黒豆リードに「こだわり煮豆」や「おかず畑」シリーズ品
 あけぼのさけ缶詰、誕生100周年のデモ


今週の大店立地法公示速報


交差点

残暑が残した課題



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