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No.607-8/2

220軒の契約農家が自慢の商品を持ち込み。
産直市場、奈良県にオープン(めぐみの郷新庄店)

No.607号

  「生産者の顔が見える産直野菜」−どこのスーパーでもおなじみになった青果売場の光景だが、異業種からの参入も多くなってきた。オートバックスや業務スーパーなどを展開するG−7ホールディングスの子会社「めぐみのさと」(神戸市北区)が奈良県中南部の葛城市に産直市場「めぐみの郷」新庄店を7月23日(金)オープンした。売場面積は約300u。周辺の契約農家220軒が持ち込んだ朝どれ野菜や果物、生花、米など、すべて生産者の名入りで販売され、新鮮でスーパーより平均2割安が魅力だ。ちょっとしたミニスーパー風の「めぐみの郷」は兵庫県下で4店舗あるが、奈良県への進出は初めて。

冷房効率は悪いが、雰囲気ピッタリの「居抜き店舗」


  同店は奈良と和歌山を結ぶ国道24号線沿いにあるが、ライフ、オークワ、万代といった関西の有力スーパーが店舗を構える激戦地への出店だ。10km北ではスーパーセンターイズミヤ広陵店が別棟にJAならけんなどが運営する新鮮市「わたしのたからもの」をオープンしたばかりだ。


  店内は「道の駅」で見られる直売店のような感じだ。オートバックス新庄店の敷地の中にあるが、同店が運営しているのではない。うどん、そばといった麺類を扱う路面店を居抜きした。太い木組みの柱がむき出しで、産直の雰囲気にピッタリだが、その分天井が高く、温度管理の面で難があるという。


  3時間ごとに届けられる焼き立てパンやケーキ、乳製品、地元特産の素麺なども揃っている。青果の99%は地元産だが、猛暑で葉物が少ない時期に当たるので、品揃えの苦労も絶えない。白菜や大根など奈良県下では揃わない時季のものは市場から調達、産地を明示している。営業時間は9:00〜19:00で、初年度1億8,000万円の売上を見込む。


  社内カンパニーの志野修市社長は、中国の北京などでカー用品店の経営に携わった、異色の経歴の持ち主だ。定年後、出身地の奈良県桜井市に戻ったが、家庭菜園などに関るうちに、産直品の魅力に引かれ「これしかない」と再び事業にかかわることになった。 生産農家にもうけてもらうため、最低限の手数料で、残ったものは最後まで面倒をみるのがモットーだ。


  システムで動いているスーパーに比べ「あれも、これも」足らないところが目立つ店内だが、品切れが厄介だという。「おかげさまで、○○時頃完売しました」とPOPで謳うといいかもしれない。既存スーパーにない、小回りの良さを出してほしいものだ。同店は近鉄御所線・忍海(おしみ)駅を南に5分のところにある。


今週の目次




SJ決算レポート(生協篇・下)

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交差点

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