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No.576-12/14

高速1,000円、バスツアーで集客拡大する
増床アウトレットとモール

No.576号

  神戸市北区にある「神戸三田プレミアム・アウトレット」は12月3日、テナントをこれまでの89から177店舗に増床オープンした=写真。隣接の「イオンモール神戸北」とともに、丘陵地に広がる一大ショッピングゾーンには高速1,000円の料金割引の後押しもあって、近畿圏を始め、中四国、東海圏からの遠距離客も集めている。自家用車以外にも大型観光バスの「買物バスツアー」も企画され、周辺道路は渋滞が続く。クリスマスや正月といった年末のショッピングは、都心の百貨店や商業施設に集中するのが普通だったが、どうやら風向きが変わり始めたようだ。

集客拡大のアウトレットの大敵は「寒波」


  イオンモールとアウトレットは道路を隔てた南北の位置関係にあるが、連絡通路で結ばれ、買い物客がひっきりなしに行き交う。レストランゾーンが充実し、食品や日用品を買って帰ろうという客はイオンに流れ、安いブランド品を覗いてみようという客がアウトレットに向かう“相互交流”が生まれている。


  買い物客でごった返す休日に比べ、平日はウソのように閑散としているのが悩みだが、光のイベント「神戸ルミナリエ」と組み合わせたり、ホテルとタイアップした宿泊プランも企画され、遠方からバスで大量に集客する仕掛けも打ち出されている。家族や仲間とドライブを楽しみながら安い高速を飛ばしてアウトレット・ショッピングを楽しむ。遠出して、すべてそこで消費が完結するのなら、既存施設にお金が落ちないのは当然の帰結か。


  平面と立体駐車場を含めアウトレット3,000台、イオン4,000台の大駐車場が完備し、臨時も含めると1万台も可能なパーキング。向かうところ敵なしの様相を見せているが、近畿圏最大のアウトレットの今後の敵は「寒波」だ。内陸部の丘陵地で、アップダウンのある地形なので、路面凍結や積雪といった自然現象が足元をおびやかす。


  神戸三田プレミアムを運営するのは三菱地所が関係するチェルシー・ジャパン(東京・千代田区)だが、三井不動産が展開するアウトレットパークも滋賀県竜王町の名神高速道路沿いに来夏オープンを目指し、建設が進んでいる。新年は「アウトレット」から目が離せない。


今週の目次




新 激戦地 ストアシーイングMAP 1

千葉県 光ヶ丘周辺


流通羅針盤


SJ新店レポート

都内に食品SMの新店、2フロアでレジ天井は吹き抜け
 Olympic(オリンピック)北新宿店
東急Gが総力を挙げて開発した駅直結型SC内に出店
 たまプラーザテラス東急ストア
一から建設した「まるとく市場」最新店
 イズミヤ・まるとく市場 井高野店


最新ドラッグストア事情フォトレポート

オープンから好調維持し3年目
 ツルハドラッグ北24条西店


今週の開店情報一覧


ハマさんのコーヒーブレーク・69 コラムニスト 浜本經道

歴史法廷はどう裁く?


日本酒の動向を探る@ 大手卸に聞く地酒の現状と課題

地域特性活かした個性発揮が地方酒の生きる道
 SMは「食+酒文化」の提案で消費者の期待に応えるべき


日本酒の動向を探るA サミットの瓶と地酒の戦略

パック酒乱戦で「瓶の強化」を志向
 自力の商品発掘でMD再構築図る


企業動向

丸大、米久ら業績更新し増収増益基調で上位追撃
内食回帰効果、日ハム復調、伊藤ハムは回復途上


食品マーケティング

栄養・健康促進食品の研究開発<メーカー>
 ※フジッコに見る黒豆の研究発表
市販用、冷食の下期新商品に米飯復活
 ※アクリフーズの「炭火黒焼鳥めし」など人気


清水信次の「やれば、できるんだ」我が流通人生の軌跡・11

ニュース聞き、瞬時に決めた「東京行き」


食材ノート・30 ミカン


今週の大店立地法公示速報


交差点

全国のチラシが見られるサイト



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