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No.550-6/1

出雲の街にディスカウントの「トライアル」。
ホテルブレッド、格安ワイシャツも

No.550号

  九州を本拠とするディスカウント大手の「トライアルカンパニー」が4月22日、島根県出雲市に進出した。同市中心部のジャスコ出雲パラオ店が1月に撤退した場所に居抜き出店したものだ。ワインカラーに白抜きで「JUSCO」とあった塔屋の看板は紺地をベースにした「TRIAL」に書き換えられた。トライアルの業態区分ではメガセンターという大型店の位置付けになる。売場面積は約8,000uで、1階に食料品や日用雑貨、2階は衣料品、家電、生活関連などを扱う、同市内初の24時間営業店舗だ。写真のように焼き立てのホテルブレッドがあるかと思えば、298円のワイシャツも売る意外性を秘めた“新顔”の出足は好調のようだ。

四つに組んで戦う大型4店舗の火花


ジャスコ出雲パラオ店は2002年10月、経営破たんしたマイカルの出雲サティの跡を引き継いだが、売上は伸び悩んだ。消費の低迷や競合激化、それに建物の老朽化も手伝って、イオンの不振店リストに挙げられ、閉店に至った。


同商業施設には地元の共同店舗「パラオ」が併設されているので、後釜の店舗を早く見付ける必要があった。結果は、九州を本拠として関東、関西、それに北海道にも進出しているディスカウント大手の「トライアル」が名乗りを挙げた。島根県でトライアルが後継店舗になるのは、04年に閉店したジャスコ浜田店に次いで2店目。


市の中心部、出雲市役所東隣の今市町。山陰地方を日本海沿いに縦貫する国道9号線に面しているトライアル出雲店の店舗を一回りした。ジャスコ時代の什器をほとんど使い回して、ローコストを実現。鮮魚は地元の業者をテナント導入している。大社産のブリのほか、にぎり寿司298円などを提供、人気を呼んでいる。


1階入口の焼き立てパンコーナー。1日7〜8回焼き上がるホテルブレッドは1斤298円というお値打ち品。1日200本はコンスタントに出る。1個69円のメロンパンとともに、早くも固定ファンを獲得したようだ。2階では、298円のワイシャツが超ディスカウントを象徴する。「中学の子どもに着せてよかったら、次はお父さんにも(笑)」という主婦もいた。


人口146,000人弱の地方小都市で、大型店が何店舗も共存できないと思うが、出雲市では08年6月、同市大塚町に「ゆめタウン出雲」もオープンしている。トライアルの先にあるJA系のラピタ、3kmにもう1店舗あるジャスコ出雲店。この4店舗が文字通り、四つに組んで、火花を散らして戦うことになった。神代の時代から続く出雲で、これからどんな「大型店神話」が生まれるのだろうか。


今週の目次




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SJ新店レポート

5つの反省を踏まえてGMSのあり方を問い直した「判断基準店舗」
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高鮮度宣言で小額割引き徹底する200坪駅前SM
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関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

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今週の業界トピックス

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人事異動


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


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10月の雪乳・日本MC経営統合で3社軸に新たな展開へ


今週の大店立地法公示速報


交差点

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