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No.548-5/18

入場口にサーモグラフィーを設置。
参考になるキッザニアの「新型インフル対策」

No.548号

  国内でも感染者が出た「新型インフルエンザ」。3月に兵庫県西宮市のららぽーと甲子園内にオープンした子ども向けの職業・社会体験型施設「キッザニア甲子園」では、空港カウンターを模した入場口に、赤外線サーモグラフィーを設置した。37.5度以上の熱を感知した人には、常駐する看護師が再度検温。高熱が認められた場合、看護師が判断し、保健所の発熱相談センターに連絡する。手指消毒のスペースも6ヵ所あり、マスクも無料配布されている。「安全・安心」をモットーとする企業の具体的な対応策は、スーパー業界にも参考になる。

「安全・安心」それに、衛生を最優先させる


1日に2,000人以上が来場するキッザニア甲子園では、もともと季節性のインフルエンザの対策として、マスクの配布は実施していた。体温を測定するサーモグラフィーは新型インフルエンザで急きょ導入されたが「幸い、再測定はまだない」(奥村邦彦・営業本部長)。


施設は3〜15歳の子どもたちを対象とするため、セキュリティ面を考えて、入場時にグループごとにブレスレットを付ける。帰るときは、受付時のグループ全員が揃わなければ退場できない仕組みになっている。これも「安全・安心」を最優先させるための措置だ。


新型インフルエンザの拡大は、不特定多数の人が集まるスーパー業界でも、「どうすれば、安全に買い物してもらえるか」など、具体的な行動計画の策定や訓練の実施が現実のものとなってきた。


農水省も5月1日付で食品や外食、小売業界に対し、新型インフルエンザの感染が拡大して人員が不足する事態になっても、工場のラインを止めずに操業し、物流ルートを確保、店舗の営業を続けるための「事業継続計画(BCP)」を策定するように要請。さらに11日には、同業界に計画策定の手引書を送付した。


こうした中で、2月に愛知県豊橋市の農場で発生したウズラのインフルエンザは、新たな感染が確認されなかったとして「終息宣言」が出された。ウズラ農場に対する肉や卵などの移動制限が出されたため、スーパーからウズラの卵が消えたが、この業界がどうやって立ち直るか、痛手はあまりにも大きい。


今回の新型インフルエンザは弱毒性のようで、大流行とまでは行っていないが、ウイルスはいつ突然変異するかもしれない。強毒性の鳥インフルエンザの存在も不気味だ。従業員とその家族を守りつつ、食品供給の社会的責任を果たす――リスクマネジメントの構築と発動は秒読みだ。


今週の目次




流通羅針盤02

農地法の一部改正が可決


SJ決算レポート(CVS篇)

主要7社のチェーン全店売上高8.1%増の6兆9,781億円
 タスポ効果で客数が大幅に伸びる


SJ新店レポート

自社繁盛店の近くに出店し、相乗効果を期待
 マルエツ ナリア武蔵浦和店
来店頻度の高い繁盛店をS&B
 いなげや練馬南大泉店
改正薬事法対応のドラッグコーナー設置
 サミットストア川越藤間店


ハマさんのコーヒーブレーク・62 コラムニスト 浜本經道

売価を決めるのは誰?


今週の業界トピックス

CGCグループ 2社が新規加盟
パルコ 基幹店の名古屋店と広島店も下期から業績低迷
ワークマン 昨年12月から創業以来初の既存店売上の激減
日本能率協会 第1回PB開発展を今年11月中旬に東京で開催


人事異動


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


大豆バー「SOYJOY」 大塚製薬の戦略商品

全ての業態に対応の健康食品・菓子、発売3年順調に成長


食材ノートコラム・23 グリーンピース


業界動向

CVS業界、大手はPB軸に低価格訴求と店内調理など強化


食品マーケティング 混沌とする中国産輸入食品

中国産輸入冷食は30%ダウン 国内冷食販売は「お弁当のおかず」中心に復活


今週の大店立地法公示速報


交差点

終わりたくない



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