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No.546-4/27

関西地盤のスーパーが相次いで50周年。
流通の歴史を刻む“執念”の歩みだった

No.546号

  経済の急降下をもたらした「100年に一度」といわれる経済危機も半年を経て、ちょっとした踊り場に来たようだが、この先どうなるか、まだ不明だ。そんな中、関西を地盤とするスーパー2社が相次いで50周年の記念の年を迎えた。歩みを振り返るだけでも「山あり谷あり」だったが、次の50年はどうなるのか、混沌の中でオークワと関西スーパーは、また新たな船出を開始した。

次の50年は本格的な「PBの時代」か


50年前の世の中がどんな感じだったのか、振り返ってみたい。表紙写真の関西スーパー川西店がオープンした4月10日は、皇太子・妃殿下のご結婚の日でもあった。馬車に乗ったお二人を53万人もの人が沿道に並んだ。パレードの中継を見るために、14型の白黒テレビが爆発的に売れた時代でもあった。


「もはや、戦後ではない」--池田勇人首相が「所得倍増計画」を打ち出した。みんな半信半疑だったが、高度成長の波に乗って、本当に実現した。セルフサービスの店舗が雨後のタケノコのように、次から次へと生まれ「スーと出来て、パーと消える」と揶揄(やゆ)されたのもこの頃のことだった。


和歌山県を地盤とするオークワが新宮市に県下初のセルフ式スーパー「主婦の店新宮店」を開店したのは、1979年(昭和34年)3月。大桑?嗣会長は17日、創立50周年の「感謝の集い」の中で、苦難を乗り越えて成長した歴史を振り返った。12月に創業50年を迎える関西スーパーは記念セールを先行、小型店のお手本になる川西店を開店させた。


一方で、日本を代表する流通業になったイオングループ。18日、大阪・守口市のジャスコ大日店では、トップバリュの低価格版「ベストプライス by トップバリュ」の第1弾を発売した。プレーンヨーグルト450g98円、食パン5〜6枚切り88円、ポーク&チキンウインナー300g298円、ちくわ4本78円、衣料用洗剤1s148円、1品ずつ買っても710円という安さだ。食べた感想は「これなら、いける!」


この50年で消費生活のメインを担う存在となったスーパー業界だが、店舗と商品、それにかかわる人材をどう育成するかなど、課題は多い。今後はどう歩んで行くのか、創刊11年を迎えた業界ウォッチャーとしての本誌もまた新たな歴史を刻むことになる。


今週の目次




SJトップインタビュー

第2次蛻変でローコスト経営を徹底
フードマーケットは本部主導型に転換
 カスミ社長 小M 裕正 氏


SJ新店レポート

低価格政策を積極的に売場で打ち出す
 ベルク川口差間店
地下食品売場内にザ・ガーデンが初出店
 イトーヨーカドー武蔵小金井店


2009開店店舗予定表


今週の業界トピックス

しまむら 上場以来初減益
サークルKサンクス 振る、混ぜる新スタイルのサラダを発売


人事異動


MDフラッシュ


今週の開店情報一覧


本当のPB戦略 フリーデン 小俣勝彦営業統括本部長に聞く

「1頭丸ごと商品化」の確立が差別商品開発の原点


新「白雪」の09戦略 小西酒造 森川敏朗営業本部長に聞く(1)

「清酒の価値」を高める独自路線で「一緒に取り組める先」の再構築へ


酒類販売09MD戦略 サミット 安達晋一郎バイヤーに聞く

本番迎えた「酒販店SM」の日本酒


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

不況下でも、商品力のある企業人材投資企業は伸びる


企業動向

大日本住友製薬、まず最大手ロッテにガム用で採用決める


食品マーケティング

東洋水産、チルド麺の多様化進む
 4月1週以降気温上昇で「冷やし系…」が安定推移


今週の大店立地法公示速報


交差点

20年に1度のチャンス!?



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