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No.480-12/10

再び“西からの風”が吹く予感。
日本再生のカギを握る「関西ブランド」

No.480号

関西の地盤沈下が叫ばれて久しい。東京への一極集中が頂点に達した感さえある。「新しい流通の動きは西から」――と言われてきたのは、いつのことだったのか。だが、今秋の関西各社の出店を見る限り、どうやら底打ちしたような気配も漂ってきた。滋賀を地盤とする平和堂が中部地方で着実に足固めする一方で、和歌山のオークワも愛知県の愛西市に初進出。「元気印」の企業が、長い低迷を阻止してくれるに違いない。


流通の歴史を作るのは、再び「関西企業」?


和歌山県を地盤とするオークワは11月21日、岐阜県との境にある愛西市に中部・東海エリア初の「愛西プラザ店」をオープンした。これまで和歌山、大阪、奈良、三重と着実にドミナント展開を続けてきた同社のエリア拡大の“新たな一歩”といえる。


一方、東海エリア進出4年になる“兄貴分”の平和堂も11月8日、主力業態のアル・プラザを愛知県で初めてオープンさせた。場所は中部国際空港が常滑にできるまでは、空の玄関口だった小牧市の名鉄駅前だ。イトーヨーカ堂の閉鎖店舗を大改装して、出店に漕ぎ着けた。


共同仕入れ会社「ニチリウ」の主力メンバーが、揃ってユニーやイオンのお膝元に出店するのは、トヨタを始めとする製造業の好調さが、中部経済に明るさを投げ掛けているからだ。東京の一極集中が進んで、「東海道ベルト地帯」という言葉も色褪せてきた。何とかここは、中部圏に頑張ってもらいたいものである。


例え本社機能が東京に移っても、店舗はその地に残り、地域に根差した販売拠点となる。多くの流通マスコミが関西を離れ、東京に集約化したのと小誌は方向を異にする。支社を開設したのも、こういう時だからこそ、関西に情報発信の拠点を設け、地道な店舗取材を重ねようという言わば“逆張り”の発想だ。


10年前、東京・代々木の地に産声を上げた小誌は、「店舗をベースに流通の明日を考える」が発刊のコンセプトだ。5月に創刊10周年を迎えた、来年半ばには500号の大台にも乗る。当時はまだ珍しかったインターネットのドメインを「sji」(ストア・ジャパン・インタラクティブ)としたのは、読者との「相互交流」を大事にしたいという願いが込められている。 今号は関西支社開設特集としました。


今週の目次




ストアジャパン社 関西支社開設特集


特別インタビュー

スーパーセンターとSM、GMSで関西を深堀
 経営計画の着実な推進で改革を軌道に
  イズミヤ社長・日本チェーンストア協会会長 林 紀男 氏
イオンGのSM、2010年度売上2兆円、営業利益率4%に
 グループ情報共有密に、成功事例を水平展開
  イオンSM事業EC議長・マックスバリュ西日本会長 原田 昭彦 氏
システム完成で成長路線歩む
 何事にも「問題意識」を持って
  コノミヤ会長 芋縄 純市 氏


関西支社開設記念セミナー

丸久・サンシャインチェーン本部


元気ある関西系スーパーの「中京出店戦略」

平和堂とオークワの個性ある「出店戦略」――店長の選択とは
 笑顔で接客、関西カラー前面に


SJ新店レポート

EDLPにこだわり “価格の地域間格差”を解消したい
 ベイシアフードセンター常滑店
エコに対応した巨大モール、ジャスコを核に204店営業
 イオンモール羽生


流通業界版「間違った日本語」・その30
(株)島田研究室・代表 島田陽介

「値上げ」1


今週の業界トピックス


新市場開拓のマーケティング 大塚製薬の消費者事業

フルーツ大豆バーSOYJOYが2年目で3倍増へ


ハマさんのコーヒーブレーク・45 コラムニスト 浜本經道

問いがまちがっていた


ニチロ・アクリフーズ お弁当用、期間限定、受験生応援パック


食材ノートコラム・5 ネギ


今週の大店立地法公示速報


東洋の名言


交差点

平成の「トイレットペーパー騒動」



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